戦時体験談 見知らぬ中学生の皆さんに

この本は、私は「聞き書き」としてではなく、編集として関わりました。
ご依頼の電話をくださったのは、著者の髙林 実結樹(みゆき)様ではなく、髙林様が設立されたNPO法人「認知症予防ネット」で活動されている、原悦子様からでした。
原悦子様は、「理事長の髙林實結樹様が、地元の中学校で戦時体験を語られ、その原稿があります。その時の中学生たちからの感想文もあります。髙林様は、これらをなんとか形にしたいと思っておられて、私はその願いをかなえて差し上げたいのです。どうか手伝ってもらえませんか?」と熱く語られました。

髙林様ご自身が書かれた原稿に、手書きの感想文をできるだけそのまま掲載し、適切な資料を補足し、イラストを入れ、親しみやすく、読みやすく、わかりやすいものにするにはどうしたらよいか...。
まずは土台となるサンプルを作成し、それを髙林実結樹様、原悦子様と私の三人で、繰り返し意見を出し合い、資料を吟味し、校正し、添削し、練り上げました。

(文中30頁の写真は所有者が中部大学であることが分かり、事情を説明して掲載をお願いしたところ、快諾すると共に鮮明なデータを提供してくださいました。なおこの写真はここでも見ることができます。)


そして2019年12月に、とうとう完成しました。
それが、これです。

(髙林実結樹様は お客様の声 にメッセージをくださっています。)

その後、2020年3月4日、京都新聞に取り上げられ、京都府全域の紙面に大きく掲載されました。

直後より髙林様のところには多くの反響が寄せられているそうです。



私はこの本の編集を通して、髙林様の人生を通してぶれることのない思いに、つねに圧倒されながら突き動かされました。
完成し、その喜びを共有しながら、「自分で物事を考え、人生を決められる人になってほしい」という一環した強いメッセージは、髙林様の生き方に裏打ちされているからこそ、届くのだとつくづく思いました。
髙林様の願いの通り、このメッセージが一人でも多くの人に伝わりますように...。
そのお手伝いの一翼を担うことができ、心から感謝しています。

またイラストには、本にふさわしいものを...と考えた末、私が大変お世話になった 版画家の高出昌洋様(故人)の作品をあちこちに使わせていただきました。

表紙の「春の木 夏の木 秋の木 冬の木」は、同じ版木を元に季節の変化が表されており、まさにどの季節もそれぞれに美しく、受け継がれて新しくされていく様がこの本にぴったりだと感じています。
作品の使用を快くお許しいただきました、奥様の高出かよ子様、本当にありがとうございました。